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動画付遺言とは?作成するメリットについて解説
遺言は、ご自身の死後の相続トラブルのリスクを下げられる可能性があります。
今回は遺言で残せる内容や動画付遺言を作成するメリットなどについて解説します。
遺言で残せる主な内容とは?
遺言とは、ご自身が亡くなった後の財産の処分や家族への意思表示を法的な効力をもって行うための手続きです。
遺言によって残せる内容は以下の通りです。
相続分の指定
遺言では各相続人の相続分を指定することが可能です。
特定の相続人に手厚く財産を譲りたい場合や、それぞれの貢献度に応じて割合を調整したい場合に、相続分の指定を行うことがあります。
ただし、他の相続人の遺留分を侵害しないよう、全体のバランスを考慮した内容が求められます。
相続人以外に遺贈を行える
遺言を利用すれば、法定相続人ではない第三者に対しても財産を譲ることができます。
これを遺贈と呼びます。
長年連れ添った内縁のパートナーや、献身的に尽くしてくれた親戚などに財産を残すことができます。
遺贈の方法としては特定の財産を指定する特定遺贈と遺産の一定割合を譲る包括遺贈があります。
相続人廃除の意思を示せる
特定の相続人から虐待を受けたり、重大な侮辱をされたりした経験がある場合、その者の相続権を剥奪する相続人廃除の意思を遺言に記すことができます。
これは、相続人としての地位を奪う非常に強力な手続きであり、家庭裁判所による審判が必要となりますが、遺言によってそのきっかけを作ることが可能です。
認知を行える
婚姻関係にない相手との間に生まれた子について、遺言によって認知を行うことができます。
認知をすることで、その子は法律上の相続人としての権利を得ることになります。
生前には諸事情により公にできなかった関係であっても、最後の手続きとして子どもの将来に責任を持とうとする際に利用されます。
遺言執行者を指定できる
遺言の内容を具体的に実現するための責任者である、遺言執行者をあらかじめ指定しておくことができます。
信頼できる親族や専門家を遺言執行者に指定しておくことで、ご自身の死後、遺言の内容がスムーズかつ正確に実行されることを担保できます。
手続きの確実性を高めるために、非常に有効な手段といえます。
動画と遺言はセットで作成する必要がある
デジタル技術の普及に伴い、動画や音声を用いたメッセージを残す方が増えています。
日本の民法では、遺言は要式行為とされており、民法で定められた特定の方式に従って作成しなければ一切の効力を持ちません。
現在認められているのは、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言といった書面による方式のみです。
したがって、動画や音声に遺言内容を記録しただけでは、法律上の遺言としての効力は認められません。
たとえ映像の中で「この土地は長男に譲る」とはっきりと述べていたとしても、有効な書面としての遺言書が別に存在しない限り、その言葉は法的な強制力を持ちません。
そのため、法的な効力を持たせたい場合には、必ず民法に定められた方式で書面による遺言書を作成し、動画を作成する必要があります。
動画付遺言を作成するメリット
動画付遺言を作成するメリットとして次のようなものがあります。
遺言トラブルがあった場合の補助的な証拠となる
動画付遺言を作成するメリットとして、遺言に関するトラブルが生じた際の補助的な証拠となりえる点があります。
相続においてもっとも多い争いのひとつに、遺言者が作成当時に正常な判断能力を有していたかという問題があります。
特に高齢の方が遺言書を作成した場合、不満を持つ相続人から「認知症で判断ができなかったはずだ」といった主張がなされることが少なくありません。
作成時の様子を動画で記録しておくことで、遺言者が自身の意思で語り、理路整然と内容を説明している姿が客観的な証拠となります。
また、遺言書が何者かによって書き換えられた、あるいは無理やり書かされたといった疑惑を払拭するための強力な材料にもなります。
裁判手続きにおいても、動画の存在は当時の遺言者の健康状態や精神状態を推測するための極めて有力な資料として扱われることがあります。
このように、書面の効力を裏付ける証拠としての役割を果たすのです。
家族に思いを伝えることができる
動画付遺言を残すメリットとして家族に思いを伝えることができる点があります。
遺言書には、財産の配分といった事務的な内容だけでなく、付言事項として家族へのメッセージを記すことができます。
動画はこの付言事項としての役割をさらに強化してくれます。
なぜこのような配分にしたのか、どのような思いで財産を築いてきたのか、そして家族への感謝の言葉を本人の声と表情で伝えることができます。
文字だけでは冷たく感じられがちな財産分与の指定も、本人の穏やかな語り口であれば、相続人の納得感が高まることが期待できます。
家族間での不要な感情的対立を抑え、相続後の関係を良好に保つための橋渡しとしての効果は非常に大きいです。
また、形見分けなどの法的な指定に馴染まない細かな希望についても、動画であれば柔軟に、温かみをもって伝えることが可能です。
まとめ
今回は遺言に残せる内容や、動画付遺言のメリットについて解説しました。
残されたご家族へ遺言とともに動画を残すことは、遺言の意図を正しく伝えられる可能性が高まります。
遺言とともに動画を残したいとお考えの方は当社にご相談ください。